派遣社員を取り巻く環境については、従前よりも随分良くなったという声が聞こえてくる。
しかしながら、全ての派遣社員が現状に満足しているわけではなく、何らかの不満や不安を抱えていることも事実だ。
現在は、いわゆる派遣切りなどが減り、派遣に関する法律や規則の整備も行われ、同じ会社に在籍して活躍できる期間は最長で3年間にまで延びた。
しかし、このことは、決して派遣社員として勤務する当事者にとって、必ずしも歓迎すべきことばかりではない。
なぜなら、気に入った職場であっても、3年以上は働くことができないからだ。
そもそも、政府が3年間を限度にした理由は、正社員との格差を解消させるためである。
しかし、このような派遣社員の待遇を改善するための政策を導入しても、紹介派遣でない限り、どんなに頑張っても3年が経つと退職をしなければならないことは変わらない。
そのため、一つの職場に長く勤務したいと考えている人にとっては、派遣で働くことは厳しい状態だといえるだろう。
ただし、派遣社員という働き方には、当然メリットもある。
派遣社員は正社員に比べると残業が少なく、ワークライフバランスが取りやすいという点だ。
また、興味があるものの未経験であるため、ハードルが高く感じられる業界にも挑戦しやすい。
アパレル業界や介護業界はその代表であり、派遣として勤務してみて、自分に合えば本格的にそこで活躍するための経験を積むのには最適だ。
雇用期間が限られ、収入アップやキャリアアップが難しいという面はあるが、派遣という働き方にも魅力があるので、ぜひ注目してみてほしい。